帝王切開後の情報

帝王切開後いつから妊娠していいの?

再び妊娠したママ

帝王切開で出産したお母さんにとって一番関心があるのは、次はいつごろから妊娠して大丈夫かということではないでしょうか。

病院の医師、インターネット、そして帝王切開の先輩お母さんたちから、最低1年は妊娠しない方が良い、2年くらい空けるべき、いやあまり気にしなくていいなどと、色々な情報を得ているかもしれません。
実際にはどれが正しいのでしょう。

どのくらい空けるのが適切か

次の妊娠で、医学的に1番心配なことは、子宮破裂といって、手術で赤ちゃんを取り出すために切開して縫い合わせた子宮の傷が、次回の出産のときに割けてしまうことです。

帝王切開後に経膣分娩を試みることをTOLACと言いますが、TOLACでは早く妊娠すると子宮破裂のリスクが高まるので、病院では「2年空けてください」とよく言っていました。ただし、この2年という期間に明らかな根拠はありません。
しかも、次回のお産も帝王切開となっている今は、子宮破裂のリスクをあまり考えなくても良くなりました。

晩産時代です。2年も待たなければいけないの?という声も多いでしょう。2年経って妊娠を望んでも、すぐに授かるとは限りません。仮にすぐに妊娠したとしても妊娠期間を考えると3年ほど空くことになってしまいます。そうなると、もう1人は難しいちなるかもしれません。

出産後6ヶ月以降に妊娠した場合

手術での子宮の傷はほぼ1年で治癒します。
また、海外で行われたTOLACに関する大規模調査では、帝王切開後6ヶ月以内に妊娠した場合、次のお産での子宮破裂は約3%と3倍のリスクになりましたが、6ヶ月以降の妊娠ではリスクは高くなりませんでした。

とすれば、少し余裕をみて子供か1歳になってから妊娠すればTOLACを試みてもあまり心配はいらないということになります。

もう少し早く妊娠したい、あるいは妊娠してしまった場合はどうでしょう。病院や周囲からは色々言われるかもしれませんが、先の調査からも6ヶ月以降であればそれほど問題はないでしょう。

出産後6ヶ月以内に妊娠した場合

産婦人科で診察中
では6ヶ月以内はどうでしょう。手術後2~3ヶ月は排卵がないことが多いので、6ヶ月以内で妊娠することは少ないですが。生理が来ていなくても、排卵して妊娠する可能性はあります。
まだお子さんが欲しくない時は授乳をしていても、きちんと避妊をしておく必要があります。

ではもし6ヶ月以内に妊娠した場合どうでしょう。
たしかにTOLACでは子宮破裂のリスクは高まりますが、次回も帝王切開を選択すれば、子宮破裂の心配はあまりありません。

とすれば、40歳前後で初めて妊娠したお母さんで、できるだけ早く次の子を欲しい方は、半年空けてからが望ましいのにかわりありませんが、体と心の準備ができるまである程度の時間がかかること、妊娠を試みてすぐに授かるわけではないことを考慮すれば、次回も帝王切開ということを前提に、間は開けなくてもよいという考えもあるでしょう。

退院はいつできるの?

出産後の退院

帝王切開後でも、経過が良ければ産後8日前後で退院となることについてはすでに述べました。では退院後のお母さんの体はどのように回復し、変化していくのでしょうか?

妊娠・出産によって変化した子宮や卵巣、軟産道は、一般的に産後約8週間で妊娠前の状態に戻ると言われています。
帝王切開の場合は、産後の回復がゆっくりめではありますが、経膣分娩の場合と特別な違いがあるわけではありません。

ですから、退院後のお母さんの体に関する一般的な内容は、出産施設で説明されるパンフレットや他の育児書を参考にしてください。

産後1ヶ月が経過する頃には体力も回復し、母乳分泌も増え、育児にもなれてきて、赤ちゃんとの生活リズムが整ってきます。
そこで産後1ヶ月を「床上げ」といって通常の生活に戻る目安とされています。
丁度この頃は母子の1ヶ月検診、赤ちゃんのお宮参り、親戚やご近所の方々を招いてのお披露目など、イベントが目白押しです。

ところで、経膣分娩のお母さんでも退院直後から出産前と同様に動いて、育児や家事を行うには無理があります。
日本では里帰り出産する人も多く、とくに初産の場合は実家で産後1ヶ月ほど過ごし、その前に体の回復をはかり、実母などのサポートを得ながら育児にも慣れていきます。

2人目以降の出産の場合は、上のお子さんの通園、通学の都合上、実母に自宅に来てもらってサポートしてもらうことも多いようです。
産後1ヶ月は休みたいときには休み、頼れる人がいる場合は頼って、無理をしないように過しましょう。

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赤ちゃんが生まれた後の対応は?

生まれたての赤ちゃん

赤ちゃんが生まれた後は、おなかをきれいに閉じます。このことを閉腹といいます。
おなかを切って赤ちゃんが生まれるまでよりも、この閉腹に要する時間のほうが長くなります。
しかし、局所麻酔の場合、ほとんどのお母さんは生まれたばかりの赤ちゃんに気を取られているので、あまり気にならないようです。

無事に手術が終了すると、看護スタッフがお母さんのからだをきれいに拭き、着替えをしてさっぱりとしてもらいます。

全身麻酔ではもちろんですが、局所麻酔でもまだお母さんは下半身を動かすことができないので、看護スタッフが声をかけながら全て行います。

準備ができたらお母さんをストレッチャーまたは可動式のベッドに移動させ、回復室または産後の部屋(褥室)に向かいます。
この産後の部屋に戻ることを帰室といいます。

このときのお母さんは、手術を終えてホッとした気持ちと麻酔の影響でフワフワとした気持ちかもしれません。
手術中は麻酔薬や手術室の環境によって体温が低下しやすいため、術後に寒気がして震えることもあります。

ご家族が手術待合室で待っていらっしゃる場合は、一緒に帰室します。ご家族を先に病棟のお部屋に案内しておき、そこで待っていただく場合もあります。

生まれたての赤ちゃん

術後の観察と処置

体温、血圧、脈拍

帰室後、しばらくは頻回に看護スタッフが訪れ、体温、血圧、脈拍をこまめに観察します。
これらは私たちが生きていることを示す基本的なサインで、バイタル・サインズといいます。
血圧が高い場合は自動血圧計が装着されることもあります。
その場合、定期的に血圧計のカフ(腕に巻く部分)がウィーンと動くので、ちょっと気になるかもしれません。

左右どちらかの手の中指の先端にはパルスオキシメーターという小さな機器がつけられます。

これは、動脈血酸素飽和度を計測していて、血液中の酸素を運搬するヘモグロビンがどのくらい酸素をちゃんと運んでいるかを示しています。正常値は95%以上です。
看護スタッフは異常があればすぐに発見し、対応できるように努めていますが、もし気分が悪い、息苦しい、吐き気や頭痛がするなどの不快な症状がれば、ナースコールでがまんせずに教えてください。

手術後に寒くて震えることがありますが、これは30分前後で自然に治ります。とくに全身麻酔後はこの傾向が強いようです。
そのため、帰室後のベッドをあらかじめ電気毛布などで温めておく、といった対策がなされます。

尿

尿は導尿していますので、術前に膀胱に挿入された管から流えて、目盛りがついた専用のバッグに溜まっていきます。その数値を看護スタッフが読み取ります。
どのような種類の手術でも尿量測定は重要で、にごりや血液などが混じっていないきれいな尿が一定量流れていれば正常です。

子宮は膀胱のすぐ裏にあるので、帝王切開の手術操作によって一時的に膀胱の機能が麻痺することありますが、通常はしばらくすると回復します。

また、陣痛が長引いた末に緊急帝王切開となった場合は、陣痛のために水分補給が十分できていなかったり、多量の発汗による脱水でなかなか尿がでないことがありますが、時間経過や点滴きよる補液で改善します。

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